会社を退職してもうすぐ4ヶ月、今61歳だが過去40年間で初めて「暇だ」と感じることが増えてきた。直後に襲ってくるのが微妙な罪悪感と焦りである。
時間があったら、仕事か有益な余暇か休養に費やさねばならないという心の習慣が長い時間染み付いているのだろう。だから、趣味であっても何かしらお金を稼ぐことにつながることやスキルが上がるようなことをして過ごすと意味のある時間を過ごしたような気がする。
人間はどんな時間であっても自分の人生が少しでも有意義だと感じていたい生き物なのだろう。毎回の食事に少しでも美味しいものを、旅行先はより楽しめそうな目的地を懸命に選ぶのは、とどのつまりそうすることで過ごした時間により意味を持たせたいのだと思う。
だが何かをしなければと感じてもどうにも動けない時もある。そういう時は体は重いし何かを考えること自体放棄したくなる。
昨日がそうであった。
こういう時いつも思うのだが、本当に人生は常に有意義に過ごさなければいけないのだろうか?
日々が辛くてどうしようもない時は、有意義なことなどしなくても生きているだけで十分その人生に価値があるのだという考えも普通にある。
そう考えているうちに、会社員時代に「暇だ」という人がいるとつくづく羨ましかったのを思い出した。
きっと暇を感じることは自分の人生に与えられた贅沢のひとつなのである。そう思うことに決めた。


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