水木しげるのラバウル戦記を読んで過酷な日々を生き延びるための勇気をもらう

読書

水木しげるといえばゲゲゲの鬼太郎などの妖怪まんがが有名だが、私はサラリーマン時代に水木しげるの戦争体験を描いたマンガや手記を読んで生きる勇気をもらっていた。
特に「ラバウル戦記」には、南方戦線での当時の現地の様子を描いた作者作による見事な絵画が多数挿絵として使われていて、体験がよりリアルに伝わってくる。
この「ラバウル戦記」は「総員玉砕せよ!」「敗走記」のような戦争の悲惨さを描いたものと比べて、作者自身の一兵卒としての体験をややユーモラスに描いているので読んでいて少し気持ちが救われる。
隊の規律を離れ独自の行動をとりがちだった作者は周囲の兵隊達より群を抜く頻度で上官に殴られたらしい。これを読んだ当時上司から人前で怒鳴られたりネチネチと嫌味を言われることの多かった自分は自分の日常と重ね合わせていたのだと思う。
作中に、当時の作者が

いわゆる“軍事”に無関心だったのだろう。

とあるが、自分もサラリーマンながら「いわゆるビジネスに無関心だった」のかもしれない。自分は真面目に行動しているつもりでも周囲からみればサラリーマン戦線から逸脱した行動が多かったのだと思う。

この本のクライマックスは南方の島で原住民から集団で襲われかけて海岸線沿いを必死に泳ぎながら単独で逃げ惑う場面だろう。
だが私が好きなのは、その後爆撃で左腕を失う重傷を負う瀕死の状況の中、別の原住民から果物などの食物を与えられてなんとか生き延び、さらにはその原住民の部落に温かく受け入れらていくくだりである。

作者が悲惨な状況下で戦争の勝ち負けなどより自身がなんとしても生き延びようとする様子を読んで、過酷な会社生活の中会社の利益など二の次に私自身が生き延びるための勇気をもらっていたのだと思う。

コメント

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