バンド演奏でピアノやキーボード(以下まとめて「キーボード」と記載)が求められる役割の一つに「演奏全体に和音で厚みをつける」というのがあります。
私もバンドにキーボードに新たなパートとして加わって、バンマスから「ピアノが入って音が厚くなった」「ギターとベースだけでは寂しかった演奏がキーボードが入ってくれていい感じになった」と言われて、とりあえず「自分の立ち位置が確保できた」と思うことがありました。
ここでは、キーボーディストが苦労しがちなコードの覚え方の私なりのノウハウをご紹介します。よく「コード毎に弾く際の手の形や鍵盤の位置で丸覚えする」というのがありますが、それよりも簡単でかつ応用が効くと思います。
そのやり方というと、
・各コードの構成音(コードトーン※)のうち、まずは「3」と「7」の2つ音を覚えてこの2つの音はいつでも必ず弾く。
・コードトーンを構成する「1」と「5」の2つの音やそれ以外のいわゆる「テンションキー」はキーボード自体やバンド全体のアレンジなどの状況に応じて弾くかどうかを決める。
というものです。
※「コードトーン」がすでにわからないよという方はネットで「コードトーンとは」で検索と確認をお願いします。
そうはいっても12Keyのメジャー、マイナー合わせて24個もある各コードの「3」と「7」を覚えるだけで大変なのですけどね。
具体的には、 Cメジャーセブン(C△7)であればコードトーンであるド・ミ・ソ・シの4音のうち3番目の「ミ」と7番目の「シ」の2つをCメジャーセブンを弾く際には最低でも必ず弾く。
他のコードを例に挙げると、
Cマイナーセブン(Cm7) ⇨ ミ♭とシ♭
Dメジャーセブン(D△7). ⇨ ファ♯とド♯
A♭メジャーセブン(A♭△7)⇨ ドとソ
Gマイナーセブン(Gm7) ⇨ シ♭とファ
・・・・
となります。
この時、鍵盤でみて3番目と7番目の音どちらを上にして弾いてもよいというのがミソです。(前後のコードとのつながりで弾きやすい弾き方でよい)
Cマイナーセブン(Cm7) ⇨ ミ♭が下シ♭が上
⇨ シ♭が下ミ♭が上 どちらでもOK。
音楽理論的には、
3番目の音と7番目の音はともにコードの色合いを決定づける音であり、この2つが演奏されないと何のコードが鳴っているのかわかりません。逆にこの2つの音が鳴っていれば何のコードがなっているかが決定されるので、この2音をしっかり弾けば自信をもって正しいコードを弾いていると威張れます(冗談です)。
その上であとは2音以外の音をうまく足すことができれば(これがまた難しいのですが)バンドの演奏全体に厚みをもたらすことができるわけです。
なお、1番目の音は「基音(ルート音)」と呼ばれ、バンド演奏ではベースが弾く場合が多いためキーボードは引く必要がないか弾かない方がよい場合もあります。
5番目の音はコードの色合いを強める機能がありますが、弾かない方が浮遊感が出てよい場合があります。
また、メジャー・マイナー以外の他のコードとしてディミニッシュ・SUSなどが時折出てきます。覚え方がやや異質なので覚え方のコツはまたの機会にします。
なおキーボードがバンドの演奏で期待されるのにリフとソロもありますが、こちらはコードスケールの理解が必要なのでこちらも別の機会にします。

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